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カラーマネージメントシステムWEB講座

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広告業界等でも今話題の「カラーマネージメント」について、基礎から具体的な運用についてこのコラムに掲載します。基本的な用語からシステムの構築などお役に立つ内容をお伝えしてまいりますので、興味のある方はぜひご一読ください。

DTPエキスパート
森山 隆次

今回は第14回目となります。

第5章:カラーマネージメントシステム/応用編 その3
CMS全般に関するFAQ、トラブルシューティング

昨年1年間、カラーマネージメントについてこのコラムを続けてきました、読者の皆さんはその内容をどのように受け止めていらしたのでしょうか?、このコラムの最終回は昨年開催したセミナーに参加された読者のご意見をまとめ、今抱えている課題と傾向またその解説策をご紹介します。

今回、以下の10項目をあげて、来場者のそれぞれの傾向をグラフにまとめました。

来場者の傾向のグラフ

10項目について、具体的な問題・課題点、ご質問などをいただきました。そのなかで代表的なものを選ばせていただき、Q&Aとして対策をご提示したいと思います。

Q1)
i1とナナオのモニタを使っていますが、キャリブレーションしても、発色の良さがおさえられなく困っています。
A1)
モニタの色調整は条件が整わないと良い結果が得られません、特に環境光は重要です。現在の機器の組み合わせなどお聞きしないと判りませんが、モニタの設置場所の照明環境、アプリケーション設定、i1の設定など今一度確認してみてください。特にモニタ面に当たる環境光の色温度が低いとモニタが青っぽくなり、また高いと赤っぽく見えてしまいます。i1で環境光を計測して基準となる、5000Kもしくは6500Kになるよう調整してみてください。
Q2)
Windowsが20台ほど、Macが6台ほど、部内にあるのですができれば全て同じ色環境にしたいと考えているのですが、何から手をつけていいのかがわからない状態です。
A2)
複数のモニタの色を合わせるためには、i1などの測色計が必要です。正確なモニタプロファイルを運用することで、概ね色は近づけられます。ただしモニタやビデオカードの種類によっては見え方が異なるので、可能であればなるべく同じ機種を揃えたいところです。前出のとおり環境光の整備からはじめ、モニタ、プリンタ、アプリケーション設定と順次、仕組み作りを進めてください。
Q3)
会社を挙げて取り組まなければ個々のコンピュータだけの設定では、どうにもならない点がなかなか難しく感じた。本当は良くないのだろうな、と思いながらも今すぐには全ての環境を整えることは(コスト面も含めて)できないので、徐々に整えて行くしかないような気がした。
A3)
カラーマネージメントを進めるとき、当初のコスト負担は少なくありません。このような場合は、特定の機器を専用にし、データのチェック、色変換などを選任の担当者が行う方法があります。予算が確保できたら順次同じ環境に揃えて増やしていけばいいでしょう。
Q4)
こちらが画面でみて作った原稿データをIllustratorで渡し、印刷して戻ってくると、少し色が違っていたり、JPEGデータで渡した写真が違うかんじになって戻ってくる。CMYKで作ったものをプリントするとプリンタの色の設定のためか、雰囲気の違うものになってしまう。印刷物とモニタ画面では異なるのは当然かもしれないが、それでは印刷物として出てくるものをイメージして作るにはどのような工夫ができるでしょう。
A4)
社内だけではなく、離れた関係者がデータを扱う場合、重要なことは「カラー設定」を統一するなどの標準化を先に行うべきです。AdobeRGBやJapanColor2001などのプロファイル運用が一般的になってきたのは、このような課題を解決するためです。場合によっては印刷物を基準として、モニタの色を合わせるなどの方法も有効かと思います。
Q5)
とりあえず、複数のモニタ、複数のプリンタの色調整(合わせる)を考えています。やはりi1などの使用を考えたほうがよいでしょうか。
A5)
A2で解説した通り、人間の目で複数のモニタの調整はほぼ不可能です。視力は聴力のように絶対音感などの定義が通用しません、一人一人見える色が異なりまた、環境に合わせて見え方を変えてしまうからです。カラーマネージメントに重要なモニタ調整には、多少コストが掛かりますが、i1などの測色計を用意しましょう。
Q6)
モニタとレーザープリンタの色調整でいくらくらいかかるのでしょう?
A6)
一般的には、測色計など環境が整っていれば、5万円くらいからとなりますが、通常は講習やテキストなどの用意が必要となるので、多少余裕をみて予算を組み立てましょう。勿論見積もりを取ることから始めてください。
Q7)
モニタとプリンタの色をそろえたい。モニタはすべて液晶でメーカーもちがう。基本的な、自社にあった設定の仕方、ワークフローを知りたいです。
A7)
お客様の環境は様々です。それぞれの環境に合ったカラーマネージメントが必要です。まずは環境調査から依頼してみましょう。担当の営業マンなどに相談してみてください。
Q8)
モニタプロファイルをi1で作成する際、モニタ輝度、色温度、ガンマは何を標準とするべきでしょうか?現在は輝度1400(LCD)5500K、ガンマ1.8で行っています。モニタはシネマディスプレー、ナナオ、iMac等混在しています。
A8)
輝度はモニタの置かれた環境に依存します。i1であれば確認することが可能です。ただしモニタの機種によってその効果が出にくいものがあります。シネマディスプレーは色温度が6500Kに固定されています。また、一般的な照明環境も6500Kになっていることから、現在の校正は6500K、ガンマ2.2環境で行う傾向にあります。
Q9)
PDF作成におけるカラーマネージメント
A9)
今後、RGBワークフローなど具現化され「PDFワークフロー」が主流になると言われています。それにも標準化は必須です。そのため作成時の設定は勿論、画像データなどはプロファイル変換など事前のカラー設定も必要となります。まずはAcrobatのカラー設定についてマニュアルを確認して、用途に応じた作成を行う場合PDF作成時の「プリセット」をただしく設定しましょう。
Q10)
最近、撮影もデジタル化されてきて、カメラマンさんから画像データをもらって社内でRGB→CMYKに変換するときに、色が変にかわってしまうような気がします。どういった方法で画像をあつかうのが一番適当か悩むところです。プロファイルの運用方法を知りたいです。
A10)
この課題も標準化が必要なケースとなります。関係する全員が同じアプリケーション、同じカラー設定で運用をはじめ、正確なプロファイル作りを基本に始めてみましょう。詳しくは専門家に依頼するのが得策です。
Q11)
特に問題なのは関連会社とのデータのやりとり。各社でモニタも出力をチェックする環境も全く違っているので、統一させることが必要。
A11)
この課題が一番多い理由は、デジタルカメラのデータのチェックが、モニタにしかできないからでしょう。前出の解説を参考にしてください。
Q12)
過去データの中には、カラーマネージメントを無視したものが多い。
A12)
特に画像データの扱いが厄介です。できれば一気に全てのデータのチェックを行うことをお奨めします。新たなアプリケーションのバージョンに揃えてしまうのもひとつの方法です。
Q13)
カラープロファイルを設定できない。但し8.0、Photoshop5.0が仕事のメインなので、色に関しては出力センターまかせになっている。
A13)
カラーマネージメント環境を作るには、基本的に「Mac OS X」と「Adobe CS」が必要となります。OS9でも不可能ではありませんが、旧バージョンがカラーマネージメントに対応していないため、少なくともPhotoshopはバージョン6以上、Illustratorは9以上を使用してください。
Q14)
全社的なCMSを行うに当たり、何から行っていいのか手探り状態
A14)
前出の解説を参考にしてください。不安な場合は専門家に依頼しましょう。
Q15)
CSとCS2でカラー設定が変わった。混在して運用しているが、オペレーターが混乱している。
A15)
アプリケーションソフトのバージョンアップは、システム運用において悩ましい課題です。常に新しいものが優れていいるとは言えませんが、機能を正しく判断することは重要です。設定が変わっても色に影響しないようCSになってからは安定しているようです。プリントテストを行うなど確認しながら環境を整えましょう。
Q16)
イラストレーターにPSD、TIFFを貼るデモの詳細。混在したまま印刷に行ったら事故にならないのか。なるならどう回避するのか。カラーマネージメントの環境を作りたいが、そのコストと効果がつかめない。また、最大限に導入するのではなく、少しずつ移行するとするとどういったやり方がいいかといったことが知りたい。
A16)
現在新たなDTPワークフローと従来のワークフローが混在する状況になっています。特にグラフィックアプリケーションの運用は難解になっています。PDFでの運用を考える時は全てのデータをアプリケーションネイティブ形式で考えれば、問題は少なくなります。従来の方法では入稿先の条件に依存せざるを得ないので、より綿密なコミュニケーションが必要となるでしょう。
Q17)
カラーマネージメントという言葉は良く聞くが内容について詳しい人は少ない。こういう知識も共有していきたいと思う。
A17)
確かにカラーマネージメントを生業とする専門家は多く有りません。それだけに開催されるセミナーや講習はできるだけ利用しましょう。またきっかけがあれば、印刷会社の専門家に相談する、インターネットなどを利用して情報を集めるなど工夫してみましょう。機器の販売店は専門家との関係があるので、相談してみても良いかと思います。

カラーマネージメントのシステム構築は確かに簡単ではありません、今回のQ&Aでも具体的な解説がなかなか出来ないものがおおくありました。それはお客様の環境がそれぞれ異なり、またそれぞれに合わせたシステムが必要だからです。大切なことはシステムをつくる環境の整備です。権限を持ったキーマンが基礎知識を持って、スケジュールを守って行くことです。勿論関係する会社とのコミュニケーションは重要ですが、クライアントの要望を満たすためだと意識すれば、自ずとまとまってくると思います。トヨタなど大手企業の意向が間違いなくデジタルワークフローを推奨するなか、仕組みの一部である「カラーマネージメント」はこれから避けて通れない条件のひとつなのですから。

大塚商会では、「カラーマネージメント」システム構築をお考えのお客様のため、事前調査からプロファイル作成また機器の導入まで、お客様に合った様々なメニューをご用意して最適なご提案をいたします。ご要望の節にはコンサルティング、アフターサービスに信頼のある大塚商会にぜひご相談ください。

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森山 隆次 ■森山 隆次プロフィール
東京都出身、仙台デザイン専門学校・グラフィックデザイン学科卒業。デザインプロダクション、広告代理店、印刷会社等を経てOA販売会社に入社。DTP出力サービスショップを立ち上げ、全国展開によるネットワーク構築のプロデュースを歴任。現在、広告・印刷業界向けのコンサルティングおよびカラーマネジメントシステム構築のコーディネイト等を中心に、書籍の執筆および、セミナー講師を手掛ける。専門学校等でDTPに関する講議行う。日本パブリッシング協会常任理事、日本印刷技術協会DTPエキスパート。

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